2006年06月24日

クンビラ

夏至も終わり、本格的な夏が始まろうとしている。
生き物達が身を寄せ合い、お互いの熱を欲しあう密度の濃い季節はとうに過ぎているが、これから来る世間が浮き足立つ真夏はなぜか紅茸天狗には似合わない。
世間一般のちゃんこ鍋屋や、おでん屋は夏用のメニューや店内の模様替えで、夏にそぐわぬ暑苦しいイメージを払拭することに懸命になることだろう。
紅天は濃すぎる空気を残したまま、夏へと向かう人々から遠ざかっていく。
置き去りにされるのはむしろ紅天の方だけれども。

そんな淋しい季節の訪れを、外とのひずみを、誰が口にするでもなくしかし誰も感じていた昨晩の紅天。
皆言葉もなく、グラスを傾けたり、雪子さんの料理をフォークでつついたり、ずっと同じページのままの本を眺めていたり、一様にぼんやりしているようだった。
私も頬杖をついて何を考えるでもなしに壁にかかったマグリットの『心の琴線』を眺めていた。
確か先月は『恋人たち』が飾られていたような・・・マグリットは雪子さんの趣味なのだろう。
そういえばこの絵、よく見るときのこ雲にも似てる。
ふと気付くとBGMは『灰色の瞳』だった。

  なんて寂しいこの夕暮れ
  届かない思いを抱いて

  私の大事なこの笛の歌う歌を

  あなたは聴いているのだろうか

  何処かの小さな木の下で
  
  山は夕暮れ夜の闇が忍び寄る

  あなたは何処にいるのだろうか

  風の便りも今は途絶え

  あなたは何処にいるのだろうか

<今日の食事>
恵比寿 クンビラより
●豆腐パルンゴ
 (豆腐と石臼で挽いたホウレン草とネパール高地で採れる香草をやわらか  く和えたお料理)
IMGP1256.JPG
●スプリングロール(チベットの野菜春巻き)
IMGP1257.JPG
●チャウチャウ(チベットの焼きそば)
IMGP1258.JPG
●チャン
●赤ワイン(イタリア)

<今日の本>
「ニシノユキヒコの恋と冒険」川上弘美  
  


『階段上の危険』
060625_1344~01.jpg

『ある博物学者の研究』
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posted by pikkumyy at 08:21| Comment(14) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
雪子さんから聞いたところによると、蛇子はああ見えて美術館や絵画展に通うのが趣味だそうです。だからハンチと蛇子の家では複製画があちこちに見られ、居間にはピエール・ロワの『階段上の危険』と『ある博物学者の危険』が飾られていたそうです。
Posted by 紅茸子 at 2006年06月25日 07:19
紅茸子さん

私、ピエール・ロワを知らないんです。『階段上の危険』と『ある博物学者の危険』とかどんな絵なんですか?茸子さんのことだから、きっとまた謎のキーワードなんですよねぇ。早く詳しく教えてくださいよ。
Posted by あんまん at 2006年06月25日 10:48
紅茸子さん

雪子さん、結構アートの「通」なんでしょうか、マグリットを趣味にしてるなんてね。

http://www.rakuten.co.jp/artofposter/639614/
Posted by 伊良子 at 2006年06月25日 10:54
あんまん様

ピエール・ロワの絵を記事の中にアップしておきました。
そして訂正『ある博物学者の危険』と書いてしまいましたが、『ある博物学者の研究』の間違いです。
Posted by 紅茸子 at 2006年06月25日 15:01
今日のなめ子の川柳
「お互いと食事すると釣れるかも」
Posted by 紅茸子 at 2006年06月25日 15:02
紅茸子さん

早速ありがとうございます。あの二人そんな趣味があったのかぁと少し驚きに思ったんですけど、やっぱり芸術鑑賞というよりは蛇へのこだわりだったんですね。
Posted by あんまん at 2006年06月25日 16:52
どうやら蛇とシュルレアリズムと怪談にこだわりあるようです。
ハンチの携帯の待ちうけ画面はサルバドール・ダリでした。
Posted by 紅茸子 at 2006年06月25日 19:27
紅茸子さん

携帯待ちうけ画面まで見れる間柄!?夏至の夜、夢で会っちゃった!?危険すぎる。
Posted by 舞茸 at 2006年06月25日 21:45
舞茸様

通りすがりに見えただけです。舞茸さんはどんな方と夢で会ったのですか?
Posted by 紅茸子 at 2006年06月26日 23:22
紅茸子さん

ぐうぅすかぐうぅぅすか寝てしまって、なぁんにも夢の記憶がなくなってしまってるの。これっ、夢もちぼうもないってことかしら。
Posted by 舞茸 at 2006年06月27日 22:17
舞茸様

どらエモンも言っている通り運命は変わるもの。来年は椎茸のように素敵なひとが現れるかもしれません。
Posted by 紅茸子 at 2006年06月28日 06:37
紅茸子さん  できれば松茸さんなんかに出会えたなら運命も……やっぱ、身の程知らずかなぁ。茸子さんの好みはぶなしめじ?
Posted by 舞茸 at 2006年06月28日 20:25
舞茸様

松茸さんは一年に一回くらいしか現れないさびしんぼの舞茸さんには合いませんよ。年中一緒にいれる椎茸さんは色気はないけど、味わい深くていい男だと思います。
私の好み?ぶなしめじさんもいいけど本しめじさんの方がいいかな。

今日電車で↓とそっくりなホクロのある人がいました。http://www2.wshokokai.or.jp/outou_tokusan.html
あれ、見間違いじゃなかったのかしら。
Posted by 紅茸子 at 2006年06月28日 21:29
紅茸子さん  舞茸さんにとっちゃやっぱ、年に一度の逢瀬でも太くて笠の大きいぃ松茸さんがいいわよ。顔色悪いんじゃ役にたちそうないしぃ、ねっ、舞茸さん。もっとも、土瓶蒸しにされちゃうと本当なんにも楽しめなくなっちゃうけど。
Posted by 人妻コメット at 2006年06月29日 16:52
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