2006年06月07日

PAZOO X

今日の紅天に雪子さんの姿はなかった。

猪吉さん「咳が止まらなくなってしまったようで・・・」
私「風邪ですか?ちゃんと病院は行かれたのでしょうか?」
猪吉さん「病院嫌いですからね(苦笑)」
私「あらら」
猪吉さん「保険証も持ってないし(ぼそり)」
私「え?」
猪吉さん「いえいえなんでもありません」
   保険証持ってないと言ったわよね?
私「だから、お薬も自分で作ってるんですか?薬効茸を入手していると聞きましたよ」
猪吉さん「ええ。そうです。病気になった時は自分で煎じた茸や陳皮を飲んでいます。漢方薬みたいなものですね。私も風邪を引いたとき少し分けてもらいましたが、これがなかなかどうしてすごい効き目。漢方薬というと普通即効性はありませんが、彼女が作るものは違うんです」
私「魔法の粉でもお持ちなのかしら」
猪吉さん「なんでもありですからね」
私「あ・・・やっぱりね」
   蛇子が蛇々丸を連れて現れた。
猪吉さん「いらっしゃいませ」
蛇々丸「今日おばちゃんは?」
猪吉さん「具合が悪いので寝てます。今日は私が料理も作っています」
蛇々丸「がんばってね」
猪吉さん「はい。ありがとうございます」
   蛇子にモッキンバードを、蛇々丸にホットチョコレートを出すと猪吉さんは料理に取りかかった。
   猪吉さんの料理は初めてだったので、どんなものが出てくるかと思ったら雪子さんが出すような料理だった。味もそっくり。
猪吉さん「これのおかげです(大学ノートを取り出す)紅茸天狗レシピ集です」
   虎の巻があったか。
私「あの、また話むし返してすみません。あの七色の茸も薬効茸だったのではないですか?」
猪吉さん「・・・さあ・・・わたしにはわかりません」
   蛇子がこっちを見ている。
私「あれはとても貴重な茸だと聞いたことがあります。なぜ彼女はそういう茸を半ば遊びで柏餅なんかに入れたのでしょうか。彼女は、殊茸に関しては一つの新年を貫いてる方だと思ったのに」
蛇々丸「世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる」
   何いきなり?この子本当に法華爺?
猪吉さん「はい。デザートですよ」
   白い皿に薄くスライスされた黄色い果物のような物が並べられている。
   話の骨を折られたことに少し苛立ったが、すぐにそのデザートに釘付けになった。
私「これは?」
猪吉さん「今日の献立に書いてあったデザートです。マロングラッセ」
私「マロングラッセ・・・」
   偶然にも私が読んでいた「森のなかの海」に頻繁に登場するお菓子だった。
私「いただきます」
   おそるおそる口に運んだ。 
まさか、まさか、まさか・・・
   口に入れた瞬間、私にはわかった。
   確か、主人公の希美子はこう言ったのだ
私「森の幸福が、口いっぱいに拡がる・・・」
猪吉さん「(微笑んで)はい」

   私は本を読んだに過ぎないのだが、不思議なことにマロングラッセを食べた瞬間私は既にこの味を知っていた。
   しかし味覚を通さず言葉と己の想像だけで味の真理を知ることは不可能だ。
   あれはとても不思議な感覚だった。
   栗を口に含んだ瞬間、私の舌は希美子の舌と重なっていたような気がする。
   それでも味覚以外のものは私自身のものだから、知っている味なのに初めての味であると認識していたのだ。

   あの物語のマロングラッセを私はずっと食べたいと思っていた。
   森の幸福を舌で感じるとはどういうことか体験してみたかった。
   物語ではマロングラッセを作った老女は亡くなってしまい、その作り方は謎のままだった。
   砂糖ではなくアカシアの蜂蜜と、カナダ産の最高級メープルシロップが使われていることは明らかになったが、その割合と使われているスパイスは最後まで解明されなかった。
雪子さんはどうやってこのレシピを解明したのだろうか。
猪吉さん「このマロングラッセはあの方から皆様へお詫びのしるしだそうです。ここのとこずっと身体的にも精神的にも本調子ではなかったようで、皆様に満足のいく食事を提供することができず申し訳ないと言ってました」
   雪子さん・・・。
蛇子「クリハタベナイ。カエルノメダマノパラチンタチョーダイ」
猪吉さん「はい。ちゃんとノートに作り方書いてありますから少々お待ちください」
蛇々丸「茸雲散り行く方を眺むれば ただ舞茸の茎ぞのこれる」
   は?ほんとなんなのこの子。ぱくりじゃん!

<今日のごはん>
PAZOOより
●イカとトマトのシチリア風ソテー
IMGP1233.JPG
●岩手直送ムール貝のトマトソース
IMGP1235.JPG
●スカンピとマッシュルームのペンネ
IMGP1236.JPG
●ピッツァ クワトロフォルマッジョ(4種のチーズのピザ)
IMGP1234.JPG
●グラスワイン

<今日の本>
「セブン・デイズ・イン・バリ」田口ランディ
posted by pikkumyy at 20:36| Comment(8) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
22時の茸子様

初めから真実を知っているのはいつも偽者です。
あなたの書き込みが紅天に新たな種類の謎を運んできました。謎の無い紅天なんて辛くないキムチと同じですが、あなたからいただいた謎を喜んで受け入れ、ここに組み入れることに抵抗を感じました。
しかしなんでもありの紅天です。蛇女が現れようが、半魚人が産まれようが受け入れてきた紅天です。それはみんなもがってん承知のすけ。みんなそれぞれ事情があるのです。ここの仲間そこんとこはちゃんとわかってますよ。
Posted by 紅茸子 at 2006年06月07日 21:02
紅茸子さん

22時の茸子さんって何だ?茸子さんに22時の茸子さん?トイレの花子さんとロッカーの花子さんの関係?何だかわかんねぇが、新たな謎なんだってことだけは感じるんだけど、この話、やっぱりわかんねぇな。
Posted by ひょう駒 at 2006年06月07日 22:50
紅茸子さん                   なんでもありなんて、やっぱ紅天だわぁ!久しぶりの茸子節ね、ぱぁっとやって、ぱぁっと。思い切りが大事よ、なんでもありでやってみなきゃぁだぁめ。22時の茸子はできないでしょ、茸子さんみならわなきゃだぁめ、ねっ、茸子さん。なんでもありでやってみようよぉ〜。
Posted by 人妻コメット at 2006年06月08日 21:51
なおさらわかんなくなったぜ、コメットさん。
Posted by ひょう駒 at 2006年06月08日 21:54
紅茸子さん

雪子さん大丈夫かしら。とっても心配だわ。雪子さんと茸子さんとそれに猪吉さんのいない紅天はやっぱり片肺飛行。その後の様子わかったら教えてね。お見舞いにいっていとかもね。お願い。
Posted by 舞茸 at 2006年06月08日 23:25
ひょうたんから駒様

知らぬが仏ということもありますし、たまには女性陣にまかしてください。

舞茸様

雪子さん心配ですね。
私もお見舞いのこと考えていました。
お見舞いの品はフルーツ盛り合わせならぬ、茸盛り合わせでいいでしょうか。
Posted by 紅茸子 at 2006年06月09日 05:22
紅茸子さん                                           雪子さん心配です。それでも今日は茸子さんに会えるかなって楽しみに紅天にいったのにお会いできず残念(T_T)
Posted by 絵はがき坂 at 2006年06月09日 22:08
リアルタイム更新の最新システムを搭載
Posted by アダルト at 2008年01月29日 14:55
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