2006年03月11日

茸祭レポート

茸祭当日

料理を作らなくてはいけなかったので、私と岸夕子さんは10:00にはきのこ寺に到着していた。
私が顔を知っている紅天仲間は蛇子とハンチ以外は人妻コメットさんだけだったので、当然彼女の顔が明らかになったのは今日が初めて。
きのこ和尚への挨拶を終え、寺の台所においてあるテーブルに、きのこが入った風呂敷包みを広げていると彼女が現れた。
「茸子さんこんにちは」
紅天でよく見かける女性だった。
「あなたが夕子さんだっんですか。今日はありがとうございます。おいしいきのこ汁作りましょうね!」
紅天仲間と昼間顔を合わすのは初めてで、最初違和感があったものの。お互いすぐに馴染むことができた。

ビタミンを壊すぬように、水洗いはせず濡れ布巾を使ってきのこを拭く作業に30分はかかっただろうか。きのこ和尚からいただいたこまし茸は茎が太いしめじに似ていた。しかし笠はほんのり朱を帯び、それが恋をした少女のほっぺみたいだった。そんなことを考えていると舞茸さんが料理の助っ人に来てくれた。なんと彼女調理師免許まで持っているそうな。意外外や意外!
大きいきのこは適当な大きさに切って、小さいものはそのまま沸騰しただし汁に入れていった。合わせ味噌で味を調えしばらく煮込む。
他の料理に取り掛かろうとしている時に第二軍、屋台係りの面々がやってきた。

「おっいい匂い!あ、茸子さん!こんちは!」
ん?この威勢のよさは・・・
「もしやひょうたんから駒さん?」
「あったりー!」
「ほっほっほっ。さすが茸子さん。では私は誰かおわかりかな?」
「その喋り方湖南さんですね?」
「お見事」
「それじゃあなたは不知火の仁五郎さん!」
「そうです。こんにちは」
そう言って湖南さんの左隣にいる男性が照れ笑いを浮かべた時、台所の入り口の方で甲高い声が聞こえた。
「わー大きい鍋!」
皆いっせいにそっちへ振り向いた。
「こんなのどこで見つけてきたんですか茸子さん」
「絵はがき坂さん?」
「はい。そうですこんにちは」
これで屋台陣は全員そろった。皆紅天でよく見かける顔だ。

屋台陣は庭に屋台を組立、それぞれ料理作りにとりかかった。
仁五郎さんのきのこ焼きそばはきのこ:そば=6:4くらいでそれはそれで美味しそうだった。
「茸子さん、この焼きそばソースはそんじょそこらのものとは違うんです。数十種類の野菜と肉をブレンドしてるんで、非常にこくがあります。この任を命じられた時からソースは自家製にしようと決めていました」
「手作りソース!わー!通りで匂いから違うと思った!きのこたっぷりなのもいいですね」
「きのこ焼きそばってーより焼きそばきのこだな」
ひょうたんから駒さんが横槍をいれてきた。
「茸子さん、おいらのきのこ酒も見てくれよ」
そう言って大きなひょうたんから紙コップに酒を注ぎ始めた。
「さるのこしかけ、めしまこぶ、椎茸、霊芝にアガリクス。そいつらがさこの酒に溶け込んでるってぇわけだ」
差し出された紙コップを受け取った。
「うまいよ。試しに飲んでみてくれよ」
「あら、空きっ腹で大丈夫かしら」
「そんときゃ介抱してやるさ」
「それは頼もしい」
くいっと一口飲んでみた。その美味しさに感動してしばらく声が出せなかった。
「おいしい!えー何これ初めて飲む味!味わいとしてはひれ酒に近いですね。きのこ独特のだしがきいてる。きのことお酒がこんなに合うなんて知りませんでした」
「だろだろ。いっぱい作ってきたからみんなにたんと飲ませてやるんだ」
「みんなお酒好きだからこのひょうたん10本は必要ね」

きのこ酒のとなりから香ばしい匂いがただよってきた。湖南さんのきのこの串焼きだ。
「茸子さん、きのこの串焼きは塩が命ですぞ。この塩手に取ってごらんなさい」
ヴィクトリア調のソルトケースを渡された。そこに詰まっているのは真っ白な塩。よく見ると普通の塩より粒が大きい。
「ミネラルたっぷり500万年前の塩です。素材の味を生かすも殺すも塩次第。これは絶品ですぞ」
「この塩、ちょっと舐めてみていいですか?」
「どうぞどうぞご自由に」
手の平に塩粒を出し右手の人差し指につけてなめてみた。
「あ、本当に普通の塩と違います!ただしょっぱいだけじゃなくて、かすかに旨みを感じます。早く食べたいわ。この塩で味付けしたきのこの串焼き」

その隣では絵はがき坂さんが小麦粉や卵をボールにあけてクレープの生地作りをしていた。
「茸子さん、生クリーム泡立てるの面倒だったから出来合いのクリーム買ってきてしまいました。すみません」
てへっと出した舌がかわいかった。
「生クリームは泡立ててるだけで祭が終わってしまいます。出来合いのもので正解」
「でもカスタードクリームはちゃんと作ってきましたよ。カスタードクリームに目がないもので」
「私もカスタードクリーム大好き!絵はがき坂さんの手作りカスタード楽しみだわ」
「カスタードクリームなら小さい時から作ってるから自信あるんですよ。それと今回はエリンギを細かく切ってクリームにしこませてあるんです。エリンギはくせがないからお菓子にも使えるんじゃないかと思って」
「エリンギクレープ?それまた斬新なアイディアですね」
「たっぷり食べてくださいね茸子さん」

13時15分も前になると紅天仲間は続々ときのこ寺に集まってきた。夕子さんと舞茸さんに料理を外に運んでもらってる間、私は煮込んでいた茸汁の様子を見に行った。
良い感じに煮込まれている。
「よし、こんなもんでいいか」火を止めた。
「あとはこれこれ」ポケットから先ほどきのこ和尚からいただいた五角形に折られた包み紙を取り出した。なんでもきのこ寺に代々伝わる秘伝のきのこ調味料だそうな。きのこ汁の仕上げに入れるとよいと言われた。
包みを開けるとパブロンのような色の粉が入っていた。それをさらさらときのこ汁に混ぜてまんべんなくかき混ぜた。どんな具合か小皿にとって味見してみると、じっくり煮込んだ甲斐あってか、和尚の調味料のおかげかとてもおいしく仕上がっていた。
外がだいぶにぎやかになってきている。きのこ汁の出番は最後の方なので鍋はそのままにして私も寺の外に出た。
みんな見たことある人ばかり。蛇子とハンチがちょうど石段を上ってくるところだった。猪吉さんと雪子さんは5分咲きの梅の木の下できのこ和尚と話をしていた。私は2人に挨拶をしようと思いそちらへ足を向けた。すると前から舞茸さんがやってきたのが見えたので私は軽く微笑んで声をかけようとした。しかし声が出なかった。おかしいなと思って手をのどにあてようとしたが手が喉に触れることができない。ただ空を切るだけなのだ。
そうこうしているうちに舞茸さんが私の横をすっと通り過ぎて行った。声くらいかけてくれてもいいのに・・・。通り過ぎた彼女の後姿に「ちょっと待って」と言いたかったがやはり声が出ない。そして更なる驚愕が私を襲った。「待って」と彼女の方に差し出した自分の腕が視界に入らないのだ。これはどういうことかと私は自分の体をに目をやった。何も見えない!姿が見えないのだ。
手を自分の顔に当ててみた。やはり触れることができない。私はあわててトイレに駆け込んだ。鏡に何も映らない。そして何にも触れることができない。まるで気体になったようだ。しかし顔や足や手の感覚はある。
試してみると机も、壁も人すらも通過してまう。幽霊にでもなったみたいだ。これはいったいどういうことだろう。 つづく

<茸祭の料理 〜岸夕子さん、舞茸さんありがとうございました〜>
きのこ鍋
kinokonabe.jpg
きのこと牛サイコロステーキ
サイコロステーキ.jpg
きのこと若鶏の赤ワイン煮
若鶏.jpg
エリンギとサーモンのホイル焼き
マッシュルームとポテトのグラタン
きのこや風オーブンオムレツ
オムレツ.bmp
エリンギとマイタケのフリッター
フリッター.gif
サ−モンときのこのカルパッチョ
サーモンカルパッチョ.jpg
豆腐ときのこの和風サラダ(旬)
サラダ.jpg
きのこのマリネ
マリネ.jpg
きのこのあんかけ豆腐
きのこあんかけ.jpg
キヌガサダケの海鮮蒸し
椎茸の包揚げ
きのこ三種の串揚げ
きのこのチーズ焼
椎茸の蒸し餃子
蒸k鵜子.jpg
豆腐ハンバーグきのこソース
きのこコロッケ
きのこコロッケ.jpg
きのこのガーリックチャーハン
にんにgu飯.gif

posted by pikkumyy at 21:02| Comment(20) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
紅茸子さん

む…謎ですな、新たな謎。
Posted by 湖南 at 2006年03月12日 13:01
紅茸子さん

つまみ食いしすぎて、トイレに入りっぱなしだったんじゃねぇの?そんな透明人間になった、なんて信じろって方が無理ってもんだ。で、何してたんだよ!
Posted by ひょうたんから駒 at 2006年03月12日 13:04
紅茸子さん

ほんと、荒川静香が金メダルとるって時代に透明人間なんて信じられっこないわよぉ。何してたの?白状しなさいよぉ。楽になるわよ。「おじさ〜ん、カツどんひとつ!」。ねっ、今差し入れ頼んだから、カツどんゆっくりたべてほんとのこと言ったらいいわ。肩の重荷おりるからさぁ。
Posted by 人妻コメット at 2006年03月12日 13:09
紅茸子さん

どうしたの?あんなに一生懸命準備してたのに、急にいなくなって?みんな心配してたのよ。具合が悪かったの?言ってくれれば病院に連れていってあげたのに。今度は遠慮しないでね。茸子さん、みんなに心配かけまいとしてひとりで病院いってたんでしょう。明日からお仕事行けるのかしら?具合どうなんです?
Posted by 岸夕子 at 2006年03月12日 13:22
紅茸子さん

大丈夫?突然いなくなったから本当に心配したのよ。あんなにはりきってたのに、体調悪かったの?準備で忙しかったからね、一言、言ってくれればよかったのに…。くれぐれも体気をつけてね。また、お酒が飲めるようになったら紅天で会いましょう。
Posted by 舞茸 at 2006年03月12日 15:35
紅茸子さん

茸子さんが行方くらまして、残念。誰か顔会わせたくない人がいたんですか?誰だろう?
Posted by 秘薬調剤薬房 at 2006年03月12日 15:37
紅茸子さん

言うに言われぬ訳があるんだと思いやすが、このさい腹を割って話しちゃくれませんか。消えた隠れったてぇ話は誰も信じちゃくれやせん。お天とう様に真っ正直にこれが紅天の道ってもんだ。そう思いやせんか、親分。
Posted by 不知火の仁五郎 at 2006年03月12日 15:42
紅茸子さん、皆さん

本当に残念だったけど、こうして無事な茸子さんがまた戻ってきたんだからよかったわ。
茸子さんが透明人間になったっていってるんだから、それでいいんじゃないかしら。
誰しも言いたくても言えないことってありますもの。
Posted by 伊良子 at 2006年03月12日 15:52
透明人間のお話、皆様否定的なご様子。
でもひょうたんから駒さん、人妻コメットさん、信じられないと言いますが、紅茸天狗はなんだってありの場所じゃないですか。私達は数々の信じがたい光景を見てきた仲間でしょ。なぜ蛇女の蛇子の存在は信じられて透明人間は無理なんですか?

岸ゆうこさん、舞茸さん、料理作り手伝っていただいてありがとうございました。重ね重ね感謝です。私はあのご馳走を食べることができなかったけど、皆おいしそうに食べてましたね。
体調は全然問題ないですよ。多分きのこ和尚がくれたあの調味料が原因だと思うんですよ。

秘薬調剤薬房様

変な勘ぐりよしてくださいな。会いたくない人なんていませんよ。皆さんと会ってお喋りするのとても楽しみにしていたんですよ。

とにかく皆様、透明人間の真相話はちょっと棚にあげといてください。私もまだ語っていないことがありますが、それは後々風の噂で耳にするかもしれません。私の口から説明しても透明人間より信じられない話かもしれませんので。すみません。


Posted by 紅茸子 at 2006年03月12日 16:35
ちなみに紅茸天狗でぬんちゃく犬飼うことになったそうです。皆さんかわいがってください。餌とかやってください。宜しくお願いします。
Posted by 紅茸子 at 2006年03月12日 17:00
紅茸子さん、紅天の皆さん

私の知り合いが透明人間の研究をしてまして、実際透明になる現象があるんだそうです。彼から貴重な実際フィルムを借りて着ましたのでご覧下さい。
茸子さんもこんなかんじだったんですか?
茸子さんの場合声まで消えたそうで、知り合いは大変興味を示していました。今度是非、会って話をお聞きしたいといってましたので、その節はよろしくお願いします。

http://movie-files-15.sakura.ne.jp/toumei.wmv
Posted by 考古堂 at 2006年03月12日 17:32
考古堂様

その知り合いのかたに会って私も詳しいお話ききたいです。よかったら紅天に連れて来てください。
Posted by 紅茸子 at 2006年03月12日 19:05
紅茸子さん、了解です!
Posted by 考古堂 at 2006年03月12日 20:36
考古堂さん
信じらんねぇけど、消えてたね。あれか?茸子さんも。何がなんだかわからななくなってきちまった。きのこ祭ではしゃぎすぎたかな。早く寝て、すっきりして考えてみよっと。
Posted by ひょうたんから駒 at 2006年03月12日 20:43
ひょうたんから駒様

そうです。消えるんですよ。たまには早く寝て良い夢見てください。寝酒にきのこ酒飲んで。あのお酒いっぱい作りすぎたと言ってましたが、紅天に寄付したのでしょうか?また飲みたいです。
Posted by 紅茸子 at 2006年03月12日 20:59
紅茸子さん

それがさぁ、残念なことに消えちまったんだ!(笑)
Posted by ひょうたんから駒 at 2006年03月12日 21:08
消えた!?まさかひょうたんまでもが透明に!?それともあまりに美味しいお酒で酔った誰かが持ってかえってしまったのでしょうか。残念です。
Posted by 紅茸子 at 2006年03月13日 05:37
はじめましてコメントランキングから来ました
ランキング押しときます
Posted by スクリューカンチョー at 2006年03月13日 23:16
紅茸子さん

私も参加しそびれました…。
出遅れちまった悲しみに今日も小雪の降り積もるです。
Posted by 隠れキリシタン at 2006年03月14日 14:24
紅茸子さん

堂々の4位入賞!すごいですね。岡崎、村主、皆川と並びましたよ。ところで、茸子さん、きのこ祭での「自主映画部門」「ライブ部門」での1等賞、茸子賞を早く選んでくださいよ。
http://blog.seesaa.jp/contents/ranking_comment.html
Posted by フォーレ at 2006年03月14日 14:42
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