2006年07月06日

紫陽花心中

最近紅天仲間内で話題になっている紫陽花の君。
読み始めた「薔薇盗人」(浅田次郎)の中にも『あじさい心中」なんて話があり、こうもアジサイアジサイと耳に入ってくるので今日は紫陽花についての調査報告。(紅天報告はできないし)

アジサイ(紫陽花)は、アジサイ科 アジサイ属の植物の総称。学名は Hydrangea、「水の器」という意味。原産地は日本。

いわゆる最も一般的に植えられている球状のアジサイはセイヨウアジサイであり、日本原産のガクアジサイ Hydrangea macrophyllaを改良した品種である。

樹高1〜2m。葉は、光沢のある淡緑色で葉脈のはっきりした卵形で、周囲は鋸歯状。6〜7月に紫(赤紫から青紫)の花を咲かせる。一般に花と言われている部分は装飾花で、本来の花は中心部で小さくめだたない。花びらに見えるものは萼(がく)である。セイヨウアジサイではすべてが装飾花に変化している。

花の色が土壌のpH濃度によって様々に変化するので、「七変化」とも呼ばれる。日本原産の最も古いものは、青色だという。花はつぼみのころは緑色、それが白く移ろい、咲くころには水色、または薄紅色。 咲き終わりに近づくにつれて、花色は濃くなっていく。

「あじさい」の名は「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が訛ったものと言われる。また漢字表記に用いられる「紫陽花」は、唐の詩人白居易が別の花に名付けたもので、平安時代の学者源順がこの漢字をあてはめたことから誤って広まったと言われている。

〜フリー百科事典『ウィキペディア』より〜

日本では紫陽花は奈良時代から人々に愛されていたようです。
「万葉集」には紫陽花を詠んだ歌が2首あります 。

言問わぬ木すら味狭藍諸弟らが 練の村戸にあざむかえけり (大伴 家持)

(ものを言わない木でさえ紫陽花のように綺麗に見せようとしている。貴方は言葉を操る男たちの巧みな言葉にだまされましたね)

安治佐為の八重咲くごとく弥つ代にを いませ我が背子見つつ偲ばむ(左大臣 橘 諸兄)
(紫陽花が八重に咲くようにいつまでも栄えてください。貴方を見守り続けます)

この中の味狭藍と安治佐為があじさいのことです。
ではあじさいが紫陽花と書かれるようになったのはいつのことかといいますと、それは平安時代の学者源順が、 中国唐の詩人白楽天の詩の中にあった紫陽花をあじさいだと紹介したことによるといわれています。
けれど 実は全くの別物だそうです。

絵画の素材としては、桃山時代の狩野永徳作とされる南禅寺の障壁画「松と紫陽花図」が最初のようです。
江戸時代以降庶民の花として鑑賞されるようになりました。
俳句にもいろいろと詠まれています。

紫陽花や 帷子時の 薄浅黄 (松尾 芭蕉)
紫陽花の 末一色と なりにけり (小林 一茶)
紫陽花や はなだにかはる きのふけふ (正岡 子規)

紫陽花の別名は「オタクサ」といいます。
これにはかの有名なシーボルトが深く関わっています。
日本の紫陽花に魅せられ、ヨーロッパに始めて紹介したのがシーボルトだったのです。
シーボルトは紫陽花の学名をつけるにあたって、シーボルト夫人となった長崎丸山の遊女で通称「お滝さん」と呼ばれた楠本滝にちなんでつけたといわれています。

あじさい.jpg
posted by pikkumyy at 01:04| Comment(40) | TrackBack(12) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月01日

恋のしずく

紅天で本を読みながら一杯やっていると、雨音が聴こえてきた。
ふと本から視線をあげ、横を見ると一番端のイスに女性が腰掛けていた。
真っ黒な長い髪と蝶々のイヤリング、紫陽花色のカーディガンと黒いアコーディオンスカート。
その姿がいかにも雨女風で、彼女がこの雨を連れてきたのではないだろうかと思った。
いつの間に紅天に来たのだろう。全く気付かなかった。
紅天であまり見ない顔だ。
しかし雪子さんとお喋りしている様子からしてどうやら常連のようだ。
聞き耳を立てていたわけではないが、2人の会話が自然と耳に流れてきた。

雪子さん「はいこれ。雨恋きのこオムレツ」
女性「雨乞いですか?」
雪子さん「雨に恋と書いて雨恋ですよ。雨に恋したきのこのオムレツ」
女性「雨に恋した・・・か。そういえば雨降ってきましたね。オムレツ効果かかな」
雪子さん「結構大降りですね」
女性「私の代わりに空が泣いてくれてるのかも」
雪子さん「・・・何かありました?」
女性「(紙袋をがさごそ)見てくださいこれ」
雪子さん「綺麗な薔薇。贈り物ですか?」
女性「ええ。薔薇なんて初めてもらいました。すみません。もしよければグラスか何かにさしといていただけませんか?このままじゃ窮屈だろうし」
雪子さん「いいですよ(奥から一輪ざしを持ってくる)これをくれたのは男性ですか?」
女性「ええ。とっても素敵な人。紅天にも時たま来るんじゃないかな」
雪子さん「あら、誰かしら。こんな小洒落た贈り物する人って。あの下町江戸っ子っぽい人や、いつもマニアな本ばかり読んでる人や、薬にやたら詳しい人や、探偵気取りの人ではなさそうですね」
女性「あながち間違っていないけど、ちょっと違うかな(笑)」
雪子さん「それで、その素敵な方と?」
女性「(オムレツを箸で2つつに割り、中からあふれ出るとろりとしたきのこを見つめる)好きだったんですよ。彼のこと」
雪子さん「・・・」
女性「去年の梅雨時期には、既に恋してて。
何度も試みたんですよ。水あげなかったり。陽に当てなかったり。それでも雑草みたいに根が深いのか、この一年全然枯れなかった。
ほとんど共通点がなかったのに、あるきっかけでメールのやりとりしたり、飲みに行くようになって・・・。年齢なんて全然違うんですけど、不思議と話が合ってね、彼と話してると4時間なんて4分くらいに思えちゃう。これが相対性理論の真髄でしょうか。よくわかりませんが。
彼は私のことどう思ってたかって?さあ。どうでしょう。大人が子供をあやしてるといったとこでしょうか。とにかく懐と情の深い人でした。ふざけてるようでちゃんと考えてくれてる。友達になら笑い飛ばされるようなことでも彼は耳を傾けてくれました。
彼はよくセレンディピティという言葉をつかったけど、彼こそ私のセレンディピティでした。彼を見つけることができた自分にとても感謝してます。そして私に幸福な一年を授けてくれた彼にも。ありがとうって千回でも言いたい。最後まで何も伝えることができなかったなぁ・・・」
  泣いていた。涙がぽろぽろぽろぽろ。
  声をたてて泣いていた。
  彼女の泣き声が雨音に溶けてひとつになった。
  ハンチも蛇子も法華爺もいないひっそりとした紅天に、その音だけが静かに流れていた。

IMGP1268.JPG

posted by pikkumyy at 08:15| Comment(27) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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