2006年05月20日

嵐の昼下がりに

予定日より2日早く蛇子が出産した。
立ち会ったハンチと雪子さんの話によると、それは玉のような卵で、しかも美しいとかかわいいとかそういう意味の玉ではなく、大砲の弾のような卵だそうだ。
真っ黒で艶々光る大きな卵。
蛇子はあの無表情のまま卵を産み、陣痛もさしてなかったようだ。
卵を産み落とすとすぐ立ち上がり、納戸でごそごそしていた。
部屋に戻ると納戸から持ってきた白いペンキで黒い卵をもくもくと塗りつぶし、その作業に30分ほど没頭していた。
卵を完全に白く塗り終えるとそれを乾かすためにドライヤーをあて、雪子さんは「そんなことするとポーチドエッグになっちゃうわよ」と注意したそうだが、完璧に乾くまで1時間もそうしていた。
その後押入れから硯、筆、墨汁、和紙を取り出して何かを書き出した。
見事な筆さばきに雪子さんは感嘆し、拍手をしようとしたその時、目の前にその紙を突きつけられた。
あまりにも目前過ぎて何が書いてあるのかわからず、頭を少し後ろにずらしただけでもやはりはっきりせず、さりとて蛇子はその腕を動かそうともしないので雪子さんは自ら立って後ずさりしなくてはならなかった。
そこには「蛇々丸」と達筆で書かれていた。
「ヘビヘビマル?」
「ジャジャマル」
「こいつの名か?」
「ソウ」
「なぜ男だとわかるの?」
その問いに蛇子は答えなかった。
かくして卵の中の蛇子とハンチの子は「蛇々丸」と命名された。

<今日の料理>
●サラミサラダ
IMGP1142.JPG
●ルッコラのピザ
IMGP1141.JPG
●赤ワイン
●梅サワー

<今日の本>
「アンテナ」田口ランディ

posted by pikkumyy at 21:20| Comment(16) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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