2006年03月26日

無性に料理をしたくなる時があって、今日も料理に挑戦。
本当に料理が好きで、料理上手の人はこんな突発的なことはなく、凡人(料理人から見て)が普段水を飲むように料理をしているのだろう。
私はこの突発性が起こらない限り料理はしないので料理好きとは明らかに異なる。皆さんそこらへんご注意。
しかも私がにわかに作りたくなるものは自分自身食べたいもの。このように私はいついかなる時も自分の欲求のままに行動する。「他人のために作る」そういう文章はいまだ私の中に発生しておらず、だからこそ雪子さんその他もろもろの料理人&主婦を尊敬してやまない。
さて今日の料理は耳。しかもただの耳ではなく変り種を作りたい。それこそが私を料理好きから遠ざけているゆえんであるにも関わらず。
というのも私は突発心がわかない限り料理は作らないので、本格的に料理をこしらえるのは年に4,5回程度である。そのモチベーションを利用して作る料理は自ずと変り種になってくる。何しろその心境に達するのは春夏秋冬各々約1度きり。その士気を野菜炒めや粉ふき芋につかってはもったいない。
だから私がやる気がある時は認知度の低い料理を作ることが8割を占める。せっかく作るなら、とい気持ちが起こるからだ。そしてその料理を無理やり食べさせられる人間がいるわけで、その試食係というのがえらく保守的な人ばかり。それは勿論食のことに関してもだ。そうすると私が作った料理は彼らの口に合わず、結局はそんなに箸をつけれられず余ってしまうものが大半だ。
自分では美味しいと思っているのが、他人には受け入れられない。味覚とはかくもそれぞれ異なるものなのだろうか。ともかく私は自分でも食べられないようなものを作ったことは、人生において一度しかないと豪語できる。その話は長くなるのでここでは省かせていただく。
このよう変わったものを作るし、味もへんてこで食えたモンじゃないものを作る私は料理下手であるという烙印を押されている。自然と私に料理を任せる人間はいなくなるわけで、それが私を台所から遠ざけているゆえんである。
しかし今日はどうしてもネパールの耳を作りたかった。というより自分で食べたかった。
ネパール餃耳とはしばしばこのブログにも登場するモモという和風耳より丸っこいものだ。
私はさっそく挽肉、万能ねぎ、にんにく、しょうが、各種スパイスと野菜、万が一の時のために耳の皮(薄力粉と水で簡単に作れる)を買ってきた。
手をよーく洗ってまずは皮作りからとりかかった。しかし・・・薄力粉が見当たらない。小麦粉すらもなく、あるのは強力粉のみ。薄力粉も強力粉もさしたる違いはないだろうという希望的観測をもって強力粉を使用した。しかし甘かった。強力粉はその名の通り強力な粘りを持ち延棒をもってしてもいっこうに平たくならない。しょうがないので挽肉、スパイスその他もろもろを混ぜ合わせた具を、分厚い皮に収めどうにか封をし蒸し器に入れた。
10分蒸すと書いてあったがそれでは足りない気がしてしばらく放っておいた。すると焦げ臭い匂いがして、鍋のふたを開けてみると水がすっかり蒸発して底が焦げ付いていた。危ないと思い火を消した。幸い耳に損傷はなく鍋が焦げ付いただけだった。自分の耳のように優しく労わって鍋から皿に盛り付けた。
以下がそのネパール耳。市販の皮と余ったタネがもったいなかったので普通の耳も作ってみた。

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強力粉の皮は案の定蒸されている間に膨張し、一つ食べるとそれだけで胃がもたれそうなほどボリュームがあった。耳というより肉まん。でも味はまあまあだったんじゃなかろうか。
今回の採点70点。ちょっと甘いかしら・・・。
ちなみにイタリアにも耳料理があるそうだ。その名もオレッキエッテ。オレッキが耳という単語でオレッキエッテは「小さい耳」という意味だそうだ。形はニョッキに似ていると思う。今度西の耳にも挑戦したいが、その意欲が沸くのは夏以降だろう。まだまだ先の話。




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2006年03月21日

鎮花祭

雪子さん「見てくださいこれ」
出された常温の酒を飲んでいると、雪子さんがカウンターに盆栽と思しき鉢植を置いた。桜の盆栽だったのか土の上に淡いピンク色の花びらが散っていた。
私「桜ですか?」
雪子さん「そうなんです。先日購入した桜の盆栽。春うららというんです」
私「桜の盆栽なんてあるんですね」
雪子さん「ええ。店内を春らしくしようと思って購入したのですが、先日花が咲いたと思ったらもう散っちゃって・・・」
私「早いですね。屋外の桜はまだ蕾ですよ」
雪子さん「そうなんです。梅より早く散ってしまいました。これから活躍してもらおうと思ってたのに。それで今日紅茸天狗では鎮花祭をやることにしたんですよ」
私「話詰めの祭?」
雪子さん「ちょっとイントネーションが違うかしら。花を鎮める祭と書くんです」
私「ああ。で、どんなお祭ですか?」
雪子さんの横でグラスを磨いていた猪吉さんが説明してくれた」
猪吉さん「鎮花祭は、もともと疫病祓いとして行なわれていたものです。古来疫病を運んでくると言い伝えられる桜を祓う、鎮める意味合いを持ってます。桜の花びらが舞い散る時、疫神が疫病みを行うのを鎮めるための行事なんですよ」
私「へー。それを今日」
雪子さん「紅茸天狗の桜はもう散ってしまったので」
悲しそうな顔で桜の木を見つめていた。

古来の鎮花祭の慣わしにのっとったご馳走とお酒が振舞われた。
御代を払って店を出ようとすると雪子さんに呼び止められた。
雪子さん「ちょっと待って茸子さん、今日はこれに入ってから帰って下さいね」
そう言って傘のようなものを開いた。それは真っ赤な傘のてっぺんに色々な花で綺麗に飾り付けを施したものだった。
雪子さん「これは花傘というものです。花鎮祭の時この傘に入ると悪霊を取り去って病気にならないという言い伝えがあるんですよ。だからこれに入ってこれからも元気に紅天通いしてくださいね」

<今日の食事>
●赤飯
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●おこし
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●わかめと大根の煮物
●乾魚
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●甘酒
●濁酒
●日本酒
<今日の本>
「愛と死を見つめて」大島みち子 河野実
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2006年03月16日

海燕

先日14日は茸祭後初めての紅天だった。みんなと会って何を言われるかとドキドキしてドアを開けたが、店内には予想に反して雪子さんと猪吉さんしかいなかった。
ふたり「いらっしゃいませ」
私「こんばんは。今日は静かですね」
コートを脱ぎながら挨拶を交わした。
雪子さん「みんなあなたにご立腹でもう来てくれないかもしれませんわね」
私「へ?」
雪子さん「お祭いらっしゃらなかったでしょ?」
そうか、この2人は私のレポートを見ていないのだ。どうしよう。あの通り言っても信じてくれないだろうし、いい訳めいていてみっともない。とりあえず素直に謝っておこう。
私「すみませんでした。のっぴきならない事情がありまして急遽参加できなくなってしまいました。みなさんそんなに怒ってます・・・か?」
おそるおそる尋ねてみた。
雪子さん「(手を口元に添えて笑いながら)冗談ですよ。皆さんあの通りからっとした人たちでしょ。それぐらいで怒ったりしませんよ」
猪吉さん「発起人不在でもみんなそれなりにわいわいやってましたよ」
私「そうそう。みんなずいぶん盛り上がってたようでよかったです。お2人も楽しんでいただけました?」
猪吉さん「はい。もちろんです。久々に屋外で騒いでとっても楽しかったですよ」
雪子さん「ほんとに。近いうちまた何か企画してくださいね」

雪子さんもこう言ってることだしまた楽しい企画を考えよう。やっぱ次は紅天お花見会かしら。梅はいつの間にやら満開になっていたので、桜くらいはじっくりその風情を味わっていたい。よし、お花見企画来月早々に企画しよう!

<今日の食事>
根津 海燕より
●セリオトカ(鰊の塩漬けにんにくソースかけ)
●プリヌィ(ロシア風クレープ、鰊を包んで食べる)
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●ビーツのサラダ(赤かぶとポテトのサラダ)
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●シャシリーク(グルジア風羊肉の串焼き)
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●グリビーヴスミターニェ(マッシュルームのクリーム煮)
●ロシアワイン赤
●フルーツアイスケーキ(猪吉さんよりホワイトデーご馳走)
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<今日の本>
「壬生義士伝」浅田次郎
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2006年03月14日

茸祭レポートU

みんな私を待っていてくれたようだがしびれをきらして祭は始まった。私が声も発せ無かったので仕方がない。
長机に並べれれているご馳走と屋台料理の美味しい匂いが食欲を刺激した。しかし今私は何に触れることもできないので食べることもできない。拷問に近い。
上映会の時間になり、いくつかの作品が上映された。私も声をたてて笑いたかったがそれもできなかった。それはライブの時間になっても同じだった。
皆が私の不在を訝しがっている。「私はここだよー」と自分では口をぱくぱくさせているつもりだった。誰も気付いてくれない。
結局せっかく作ったきのこ汁は皆にお披露目されることなく終わってしまった。
皆きのこ寺を後にして帰っていく。私はその後姿を見送って寺の台所へ向かった。
きのこ和尚がきのこ汁の鍋の前に立っていた。何をしているのだろうと首をかしげていると、和尚がこちらを振り返った。
「こりゃあんた、今までどこにおったがね?」
え?
「皆心配してたがよ。どこへ行ったがて」
え?なぜ私の姿が見えるの?
「どっか体調でも悪くしたがね?」
自分の手の平を目の前にかざしてみた。見える!横の壁に触れるとしっかりした手ごたえを感じる。
「私、戻ったみたいです!」
「はあ?どっから戻ったが?」
「私今まで消えてたんです。幽霊みたいに姿が見えなくなって声も出せなかったんです」
「ああ?」
「きのこ和尚さん本当なんです。きのこ汁を味見したら急に」
「あっらー。もしかしてあの調味料いれたがか?」
「もちろん」
「もーしかしたら違う包み渡してしまっただがなあ」
「え?」
「いやー透明になる薬があるだがよ。それが入った包みと間違えだがもしれん。ガハハハハ」
しばらくその高笑いに呆気にとられていた。
「でもあんたさんがた、こまし茸は食べなくて正解じゃがよ。あれを食って幸せになった者はおらんだが」
「でも、好きな人にこまし茸食べさせれば相思相愛じゃないですか。幸せですよ」
「あんたトリスタン・イズーの話知らんがか?相思相愛全てが幸福とは限らんだがよ。へたな相手に惚れてしまったら、あんたさんどうするだがね。こまし茸はそんじょそこらの媚薬とはわけが違うだがよ。惚れたが最後地獄の果てまで惚れぬいてしまうおっそろしいきのこだがな」
きのこ和尚の口からまさかトリスタンの名前がでるとは思わなかったが、確かにハンチに地獄の果てまで惚れ抜いても私は幸せになれないだろう。でもただ盲目に誰かを好きになれたらそれはそれで幸福な気もする。空っぽよりはハンチにでも恋したほうが案外人生楽しいかもしれない。

<今日の食事>
池袋 ナマステカトマンズより
●スパイス・ポテトサラダ
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●タンドリーチキン
●モモ(ネパール風しゅうまい)
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●マトンのクルチャ(マトンの挽肉入りナン)
●干し野菜のカレーとプレーンナン
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●チャン
●赤ワイングラス×3
<今日の本>
「ナラタージュ」島本理生



 なめおさすらい日記
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2006年03月11日

茸祭レポート

茸祭当日

料理を作らなくてはいけなかったので、私と岸夕子さんは10:00にはきのこ寺に到着していた。
私が顔を知っている紅天仲間は蛇子とハンチ以外は人妻コメットさんだけだったので、当然彼女の顔が明らかになったのは今日が初めて。
きのこ和尚への挨拶を終え、寺の台所においてあるテーブルに、きのこが入った風呂敷包みを広げていると彼女が現れた。
「茸子さんこんにちは」
紅天でよく見かける女性だった。
「あなたが夕子さんだっんですか。今日はありがとうございます。おいしいきのこ汁作りましょうね!」
紅天仲間と昼間顔を合わすのは初めてで、最初違和感があったものの。お互いすぐに馴染むことができた。

ビタミンを壊すぬように、水洗いはせず濡れ布巾を使ってきのこを拭く作業に30分はかかっただろうか。きのこ和尚からいただいたこまし茸は茎が太いしめじに似ていた。しかし笠はほんのり朱を帯び、それが恋をした少女のほっぺみたいだった。そんなことを考えていると舞茸さんが料理の助っ人に来てくれた。なんと彼女調理師免許まで持っているそうな。意外外や意外!
大きいきのこは適当な大きさに切って、小さいものはそのまま沸騰しただし汁に入れていった。合わせ味噌で味を調えしばらく煮込む。
他の料理に取り掛かろうとしている時に第二軍、屋台係りの面々がやってきた。

「おっいい匂い!あ、茸子さん!こんちは!」
ん?この威勢のよさは・・・
「もしやひょうたんから駒さん?」
「あったりー!」
「ほっほっほっ。さすが茸子さん。では私は誰かおわかりかな?」
「その喋り方湖南さんですね?」
「お見事」
「それじゃあなたは不知火の仁五郎さん!」
「そうです。こんにちは」
そう言って湖南さんの左隣にいる男性が照れ笑いを浮かべた時、台所の入り口の方で甲高い声が聞こえた。
「わー大きい鍋!」
皆いっせいにそっちへ振り向いた。
「こんなのどこで見つけてきたんですか茸子さん」
「絵はがき坂さん?」
「はい。そうですこんにちは」
これで屋台陣は全員そろった。皆紅天でよく見かける顔だ。

屋台陣は庭に屋台を組立、それぞれ料理作りにとりかかった。
仁五郎さんのきのこ焼きそばはきのこ:そば=6:4くらいでそれはそれで美味しそうだった。
「茸子さん、この焼きそばソースはそんじょそこらのものとは違うんです。数十種類の野菜と肉をブレンドしてるんで、非常にこくがあります。この任を命じられた時からソースは自家製にしようと決めていました」
「手作りソース!わー!通りで匂いから違うと思った!きのこたっぷりなのもいいですね」
「きのこ焼きそばってーより焼きそばきのこだな」
ひょうたんから駒さんが横槍をいれてきた。
「茸子さん、おいらのきのこ酒も見てくれよ」
そう言って大きなひょうたんから紙コップに酒を注ぎ始めた。
「さるのこしかけ、めしまこぶ、椎茸、霊芝にアガリクス。そいつらがさこの酒に溶け込んでるってぇわけだ」
差し出された紙コップを受け取った。
「うまいよ。試しに飲んでみてくれよ」
「あら、空きっ腹で大丈夫かしら」
「そんときゃ介抱してやるさ」
「それは頼もしい」
くいっと一口飲んでみた。その美味しさに感動してしばらく声が出せなかった。
「おいしい!えー何これ初めて飲む味!味わいとしてはひれ酒に近いですね。きのこ独特のだしがきいてる。きのことお酒がこんなに合うなんて知りませんでした」
「だろだろ。いっぱい作ってきたからみんなにたんと飲ませてやるんだ」
「みんなお酒好きだからこのひょうたん10本は必要ね」

きのこ酒のとなりから香ばしい匂いがただよってきた。湖南さんのきのこの串焼きだ。
「茸子さん、きのこの串焼きは塩が命ですぞ。この塩手に取ってごらんなさい」
ヴィクトリア調のソルトケースを渡された。そこに詰まっているのは真っ白な塩。よく見ると普通の塩より粒が大きい。
「ミネラルたっぷり500万年前の塩です。素材の味を生かすも殺すも塩次第。これは絶品ですぞ」
「この塩、ちょっと舐めてみていいですか?」
「どうぞどうぞご自由に」
手の平に塩粒を出し右手の人差し指につけてなめてみた。
「あ、本当に普通の塩と違います!ただしょっぱいだけじゃなくて、かすかに旨みを感じます。早く食べたいわ。この塩で味付けしたきのこの串焼き」

その隣では絵はがき坂さんが小麦粉や卵をボールにあけてクレープの生地作りをしていた。
「茸子さん、生クリーム泡立てるの面倒だったから出来合いのクリーム買ってきてしまいました。すみません」
てへっと出した舌がかわいかった。
「生クリームは泡立ててるだけで祭が終わってしまいます。出来合いのもので正解」
「でもカスタードクリームはちゃんと作ってきましたよ。カスタードクリームに目がないもので」
「私もカスタードクリーム大好き!絵はがき坂さんの手作りカスタード楽しみだわ」
「カスタードクリームなら小さい時から作ってるから自信あるんですよ。それと今回はエリンギを細かく切ってクリームにしこませてあるんです。エリンギはくせがないからお菓子にも使えるんじゃないかと思って」
「エリンギクレープ?それまた斬新なアイディアですね」
「たっぷり食べてくださいね茸子さん」

13時15分も前になると紅天仲間は続々ときのこ寺に集まってきた。夕子さんと舞茸さんに料理を外に運んでもらってる間、私は煮込んでいた茸汁の様子を見に行った。
良い感じに煮込まれている。
「よし、こんなもんでいいか」火を止めた。
「あとはこれこれ」ポケットから先ほどきのこ和尚からいただいた五角形に折られた包み紙を取り出した。なんでもきのこ寺に代々伝わる秘伝のきのこ調味料だそうな。きのこ汁の仕上げに入れるとよいと言われた。
包みを開けるとパブロンのような色の粉が入っていた。それをさらさらときのこ汁に混ぜてまんべんなくかき混ぜた。どんな具合か小皿にとって味見してみると、じっくり煮込んだ甲斐あってか、和尚の調味料のおかげかとてもおいしく仕上がっていた。
外がだいぶにぎやかになってきている。きのこ汁の出番は最後の方なので鍋はそのままにして私も寺の外に出た。
みんな見たことある人ばかり。蛇子とハンチがちょうど石段を上ってくるところだった。猪吉さんと雪子さんは5分咲きの梅の木の下できのこ和尚と話をしていた。私は2人に挨拶をしようと思いそちらへ足を向けた。すると前から舞茸さんがやってきたのが見えたので私は軽く微笑んで声をかけようとした。しかし声が出なかった。おかしいなと思って手をのどにあてようとしたが手が喉に触れることができない。ただ空を切るだけなのだ。
そうこうしているうちに舞茸さんが私の横をすっと通り過ぎて行った。声くらいかけてくれてもいいのに・・・。通り過ぎた彼女の後姿に「ちょっと待って」と言いたかったがやはり声が出ない。そして更なる驚愕が私を襲った。「待って」と彼女の方に差し出した自分の腕が視界に入らないのだ。これはどういうことかと私は自分の体をに目をやった。何も見えない!姿が見えないのだ。
手を自分の顔に当ててみた。やはり触れることができない。私はあわててトイレに駆け込んだ。鏡に何も映らない。そして何にも触れることができない。まるで気体になったようだ。しかし顔や足や手の感覚はある。
試してみると机も、壁も人すらも通過してまう。幽霊にでもなったみたいだ。これはいったいどういうことだろう。 つづく

<茸祭の料理 〜岸夕子さん、舞茸さんありがとうございました〜>
きのこ鍋
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きのこと牛サイコロステーキ
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きのこと若鶏の赤ワイン煮
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エリンギとサーモンのホイル焼き
マッシュルームとポテトのグラタン
きのこや風オーブンオムレツ
オムレツ.bmp
エリンギとマイタケのフリッター
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サ−モンときのこのカルパッチョ
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豆腐ときのこの和風サラダ(旬)
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きのこのマリネ
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きのこのあんかけ豆腐
きのこあんかけ.jpg
キヌガサダケの海鮮蒸し
椎茸の包揚げ
きのこ三種の串揚げ
きのこのチーズ焼
椎茸の蒸し餃子
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豆腐ハンバーグきのこソース
きのこコロッケ
きのこコロッケ.jpg
きのこのガーリックチャーハン
にんにgu飯.gif

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お詫び

皆さん・・・茸祭大変盛り上がっていましたね。私は今きのこ寺から戻ってきました。
舞茸さん、岸夕子さん、私確かに料理作りの時はいましたよね。そこらへんは舞茸さんの発言からも皆様わかっていただけるかと思います。
しかし祭開始直前なぜか私の姿が消えてしまい声を発することもできませんでした。透明人間をもっとひどくしたような感じです。
皆が楽しんでいるのに私だけそこに混じれずなんとも歯がゆい切ない気持ちでいっぱいでした。
せっかくのお祭天気だったのに・・・。週間予報では今日雨か曇りだったんですよね。それが皆の祈りが通じたのか今月一番の気持ち良い陽気で。朝ルンルン気分できのこどっさり携えてきのこ寺まで行ったのに。そして料理作ったのに・・・。本番で姿が消えてしまったなんて。「私はここよここよ」って口をぱくぱくさせても誰も気付いてくれなくてほんと悲しかったです。
それでもお祭の一部始終はちゃんと見てました。司会進行、本当は私の務めだったのに申し訳ないです。本当に本当にご迷惑おかけしました。
posted by pikkumyy at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月08日

茸祭のしおり

例年より寒い冬も終りに近づき、土もようやく『温めスターと』のスイッチが入ったように思われます。しかし三寒四温というよりは三温四寒の感が未だ色濃い今年の初春、まだまだ鍋、熱燗、中華まんが恋しい夜が幾夜かありそうです。
思えば皆さんと出会ったのは冬真っ盛りの年の瀬でした。どうなることかと気をもんでいましたが紅天レポートも早三ヶ月目を迎えようとしております。それもこれもひとえに皆様の紅天への偏見とプライド・・・じゃなくて、変現とプラクシス(が適切?)のおかげです。もぐらの穴より深く感謝しております。
つきましては、無事皆で季節の移り変わりを向かえることができたお祝いに、茸祭を開催したいと思います。各種催し物があります。そして目玉企画「こまし茸食べてあなたに一目惚れ」のきのこ汁は私自ら大鍋で煮込むつもりです。お手伝いしていただけるかたおりましたら一声かけてください。

日時:3月11日(土)正午より 雨天決行
場所:きのこ寺 
持物:マイ・箸、皿
きのこ和尚へのお布施(茸胞子一封)
   
〜祭のプログラム〜
13:00 祭開始の乾杯
      紅茸天狗の歌斉唱
     (歌詞は別項参照 歌えない人はいないはず)
      13:00ちょうどに乾杯しますので
      それまでにお越し下さい

      ご歓談
      屋台料理をお楽しみください
     (屋台については下記参照)

13:30 自主映画上映会
       「愛と哀しみの笑い茸」 
         監督・脚本 伊良子
         出   演 秘薬調剤薬局
               舞    茸
               人妻コメット
               岸  夕 子

14:15 終
      

14:30 紅天ライブ
      出場者には干椎茸1年分と
      きのこ寺への宿坊優待券を進呈します
      審査員は雪子さん、猪吉さん、きのこ和尚

15:00 茸子特製こまし茸入きのこ汁を食す会
      〜こまし茸食べてあなたも一目惚れ〜
      ※きのこ和尚にかけあったのですが、
       こまし茸は貴重なきのこなため一つし
       か譲りうけることができないようです。
       数種類のきのこを煮込んだ鍋の中に一つ      
       だけこまし茸が紛れています。誰に当た
       るかは食べてからお楽しみ。当たりを      
       ひいた方は食べた後一番初めに見た異性
       に一目惚れしてしまいますが文句いいっ
       こなしです。

16:00 終了

(屋台)
湖南さんの「きのこの串焼き」
不知火の仁五郎さんの「春きのこの焼きそば」
絵はがき坂さんの「エリンギクレープ」
ひょうたんから駒さんの「ひょうたん入きのこ酒」

<今日の食事>
神楽坂 アガディールより
●ティンリンティット(レンズ豆のサラダ)
●鶏のシガール(鶏のパイ包み焼き)
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●羊肉のタジン
●野菜と牛肉のクスクス
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●赤ワイングラス
<今日の本>
「福音の少年」あさのあつこ続きを読む
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2006年03月04日

タンバヤン

昨日は楽しい雛祭。紅天は案の定甘酒の香りに包まれていた。
カウンター脇には桃の花とこぢんまりしたかわいらしいお雛様とお内裏様が飾られていた。
桃の節句にちなんでいるのか、その時かかっていた曲は竹内まりやの「不思議なピーチパイ」。
猪吉さん「はい、雛祭スペシャルカクテル、三人官女の桃の香吐息」
目の前におかれたのはミルキーイエローのお酒だった。ホウィアトキュラソーに甘酒を少量混ぜ、そこに白鳳、白桃、黄金桃という3種の桃のジュースを混ぜたカクテルだそうな。甘酒入カクテルなど聞いたこと無かったのでおそるおそる口へ運んだ。これがまた意外においしい!リキュールが使われていないので甘ったるさもなく、その濃厚な色合いに反してさわやかなカクテルに仕上がっている。それだけならどこにでもある普通のカクテルになってしまうところ、甘酒をブレンドすることで雛祭っぽい味わいをつくりあげている。
私「猪吉さん、これおいしい!」
猪吉さん「ありがとうございます。先月からブレンド率などを研究してた甲斐があります。
今日はこれ以外にも雛祭スペシャルメニューがありますんで楽しみにして下さい」

BGMは筋肉少女隊の「さらば桃子」。こんな曲までかかるとはさすが桃の節句。
「気をつけろ桃子が落ちてくるぞ!すごい速さで少女が落ちてくるぞ!お前らの頭の上に落ちてくるぞ!家でじっとしているんだ!気付かぬふりをしていろ!」

猪吉さんの言ったとおり今日の締めくくりは雛祭スペシャルデザートだった。真っ白なお皿に淡い桃色、白、緑が美しい菱餅風羊羹と桃大福。羊羹の桃色の部分は苺味。よく見ると苺のつぶつぶが見える。白は牛乳、緑は抹茶。これが3段重ねの菱形になっていて、お箸でてっぺんからさっくり切り、桃白緑を一遍に口にいれる。苺抹茶ミルクの組み合わせならそこらの甘味処にありそうだが、羊羹の舌触りが3味と重なることによって恍惚感を伴う美味しさが脳へ伝えられる。
次に桃大福。これは苺大福の桃版。丸くくりぬいた大ぶりの白糖とあんこが桃色のお餅にくるまれている。大福のかわも全て手作りだそうな。甘さ控えめの大人の和菓子、美味しくいただきました。

さらに曲はすすみ「恋は桃色」へ・・・。「お前の中で雨が降れば僕は傘を閉じて濡れていけるかな 雨の香りこの黴のくさみ 空は蛇色恋は桃色」ん?蛇色!?なんか違うような・・・。

雪子さん「さっきここにいらしたお客さんからうかがったんですが、今度茸祭があるそうで」
雪子さんのこの一言から茸祭の話題でもちきりになった。
客A「あれ、雪子さんもうご存知でしたか。今紅天仲間の間では茸祭の話題が熱いのですよ」
客B「誰からきいたの?」
雪子さん「(ちょっと考えてから)陽気でからりとした下町男性っぽいかたから」
むむ、もしや・・・。
雪子さん「それで、いつなんですか茸祭って?」
客A「そういえばいつなんだろうな。聞いてないな日程は」
客B「話だけが勝手に進んでる感じよね」
確かに・・・。
突然すみっこにすわっていた蛇子が口を開いた。
蛇子「ジューイチ」
雪子さん「じゅういち?」
猪吉さん「11日ですか。来週土曜ですね」
3月11日か。土曜日だし。屋台出すにはいいかも。
きのこ和尚もいつでもいいと言ってくださったことだし、計画を練るにもちょうどいいかな。
11日で決定!
BGMは「桃色吐息」。

<今日の食事>
上野 タンバヤンより
●スパニッシュサラダ
●豚肉レバーと野菜の炒め物
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●エビのピリ辛甘酢あんかけ
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●フィリピン風春巻き
●フライド・ティラピア
●パッシド・ビーフン
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●ひな祭デザート
●ひな祭カクテル
●レモンサワー
●テキーラ・ショット
<今日の本>
「錦繍」宮本輝
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2006年03月01日

月の庵

ハンチ蛇子物語 つづき

春が終り梅雨に入いった。その頃になるとヘビコはすっかりハンチ家族の一員のようだった。ヘビコはハンチの行くところにはどこでもついていこうとした。マチもヘビコが気に入り、多少変わったところがあるものの、本気でハンチの嫁にしたいと考えるようになっていた。

ある雨の日、ハンチはヘビコと一緒に食料の買出しへ出かけた。いつもはマチが行くのだが季節の変わり目のせいか数日前から風邪を引き寝込んでいた。
家を出るときハンチはマチの赤い傘をヘビコに渡した。ヘビコはきょとんとしただけで傘を受け取ろうとしなかった。
「雨降ってるだろ。これさせって」
「いやです。さしません」
「・・・かっぱ派なんか?」
「かっぱも着ません。雨に濡れて行きます」
「外見てみろ。小雨や霧雨じゃないんだぞ。ずぶ濡れんなって母ちゃんの二の舞だ」
「風邪はひきません。濡れるの好きです。ハンチも濡れてみればわかる」
「そうだな。新しいハンチングがびちょびちょになって、俺の天パが雷様よりひどくなるってことはわかるかもな」
「ハンチ雷様?」
ハンチはちょっと赤くなった。
「なんでもいいからこれさせ!ささないなら家にいろ!」
ヘビコの顔が一瞬泣きそうになった。
「わかりました。傘さします。帰ったら一人で雨浴します」
「雨浴?初めて聞いたな。まあいいや。雨浴は一人でやってくれ。ほれ早く行くぞ」

2人は傘をさし、並んで歩いた。ヘビコは傘を持ってない方の手の平を傘からだして雨にf触れていた。
「ハンチは雨に濡れるの嫌いですか?」
「好きなやつはお前くらいだ」
「私の仲間たちはみんな雨が好きです。雨の日は必ず雨浴をします。そうやって火照った体を冷まします」
ハンチは立ち止まってヘビコを見た。ヘビコも足を止めた。
「・・・ヘビコの仲間ってさ・・・」
ヘビコは首をかしげた。
「いやなんでもない」
そう言ってハンチはまた歩き始めた。ヘビコもハンチの後を追った。

しばらくしてハンチがまた口を開いた。
「そういえばお前初めて会った時自分を踏んだ奴を見つけてなんやかやって言ってたよな」
「はい。私を踏んだ人を見つけないと私は私の世界に帰れません」
「お前の世界ってなんなんだ?」
「私が生まれたところです。私が自分の姿でいられるところです」
それをヘビコの故郷であるとハンチは受け取った。そして『自分の姿でいられる』という言葉の意味を『自分が自分らしくいられる』とい意味で捉えた。
「お前まだ自分をふんづけたやつ探してるのか?」
ヘビコはそれまで雨粒に向けていた視線をハンチの背中に移した。
「お前やっぱ帰りたいんか?」

つづく

<今日の食事>
月の庵より
●じゃこと水菜の京風サラダ
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●蟹とアボカドのタルタルソース
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●豆腐とペンネの白味噌カルボナーラ
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●蟹チャーハン
●生オレンジ&レモンサワー
●グラス赤ワイン
●ヴィータ・ローザ(薔薇焼酎 ロック)
●白髭(ごぼう焼酎 ロック)
<今日の本>
「ハルカ・エイティ」姫野カオルコ
posted by pikkumyy at 21:25| Comment(20) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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